🎨 通義万相とは?
通義万相は、中国のAlibabaが開発している生成AIサービスです。中国語では「通义万相」と呼ばれ、海外では「Wan」や「Wanxiang」の名前で紹介されることもあります。
画像生成を中心としたサービスとしてスタートしましたが、現在はAI動画生成、画像から動画への変換、画像編集、人物や物体を使った動画生成など、クリエイティブ制作に関する機能が広がっています。
日本のユーザーから見ると、MidjourneyやAdobe Fireflyのような画像生成AIと、RunwayやKlingのようなAI動画生成サービスの中間に位置するサービスと考えると分かりやすいでしょう。
特に「画像を作って終わり」ではなく、その画像を動かして動画にしたい場合に使いやすいのが特徴です。SNS用の短い動画、商品紹介、広告素材、コンセプト映像など、実際の制作現場を意識した使い方ができます。

🌏 世界での利用状況
通義万相はAlibabaのAIモデル「Wan」シリーズの一部として開発されており、中国国内だけでなく、Alibaba Cloudを通じて海外の開発者や企業も利用できます。
一般ユーザー向けの画像・動画生成サービスとして利用できるだけでなく、Alibaba Cloud Model StudioからAPIを呼び出して、自社サービスやAIアプリケーションに組み込むことも可能です。
そのため、通義万相の利用規模を単純な登録ユーザー数だけで判断するのは難しいサービスです。一般ユーザーによるコンテンツ制作と、企業・開発者によるAPI利用の両方が存在しています。
日本ではまだ知名度がそれほど高くありませんが、AI動画生成の分野ではWanシリーズのオープンモデルも公開されており、AI開発者やクリエイターから注目されています。
🖼️ AIで画像を作成する
通義万相の基本機能は、文章から画像を生成することです。作りたい画像の内容を文章で入力すると、その指示をもとにAIが画像を作成します。
例えば「東京の夜、雨に濡れた道路、ネオンが反射する繁華街、映画のワンシーンのような雰囲気」と入力すれば、そのイメージに合わせた画像を生成できます。
人物写真、風景、商品イメージ、イラスト、広告素材、SNS用画像など、幅広い用途に利用できます。
ただし、短い文章だけで細かい構図まで完全に指定するのは難しいため、人物、場所、時間帯、照明、カメラアングル、雰囲気などを具体的に書くのがコツです。
✏️ 既存画像をAIで編集する
新しい画像を生成するだけでなく、手元にある画像を編集する用途にも利用できます。
例えば、商品の背景を変更したり、画像の雰囲気を変えたり、不要な部分を修正したり、参考画像をもとに別のビジュアルを作ったりできます。
ECサイトを運営している場合は、同じ商品写真から複数の広告素材を作るといった使い方もできます。撮影し直さなくても背景やシーンを変更できるため、制作コストを抑えたい場合に便利です。
🎬 テキストから動画を生成
通義万相の大きな特徴の一つがAI動画生成です。文章で映像の内容を説明すると、その指示に合わせて短い動画を生成できます。
例えば「夕方の東京駅前を歩く男性。カメラは後ろからゆっくり追いかけ、街のライトが徐々に点灯していく」といった具体的な指示を入力できます。
単純に被写体を指定するだけではなく、カメラの動きや時間の流れまで指定することが重要です。AI動画では「何を映すか」と同じくらい「どう撮影するか」が結果を左右します。
🎞️ 画像から動画を作る
すでに気に入った画像があるなら、その画像を動画化する方法が便利です。
例えば人物画像をアップロードして「人物がゆっくり振り返る」「髪が風になびく」「カメラが人物へゆっくり近づく」といった動きを指定できます。
画像生成AIで作った一枚絵を動画に変換することで、SNS投稿や広告用の短い映像素材として再利用できます。
この方法では、最初の画像が動画の品質にかなり影響します。人物の姿勢や背景が複雑すぎる画像より、被写体が明確で構図が整理された画像のほうが動画化しやすい傾向があります。
🎭 人物や物体を動画の主役にする
Wanシリーズでは、人物や物体を参考素材として利用し、その対象を動画の中で動かす用途にも対応しています。
例えば、オリジナルキャラクターの画像を用意して、そのキャラクターが歩いたり、振り返ったり、商品を紹介したりする動画を作ることができます。
企業広告では、同じ商品やキャラクターを使って複数の動画を制作する場合にも役立ちます。一度作った素材をベースに、異なる背景やシチュエーションへ展開できるためです。
🎥 複数のカットを組み合わせる
AI動画生成で難しいのが、複数の場面を一つの動画として成立させることです。Wanシリーズでは、複数のショットを含むナラティブ動画の生成にも対応しています。
例えば「最初の3秒は街の全景、次の3秒で主人公を映し、最後の4秒で商品をアップにする」というように、時間ごとにシーンを指定できます。
この方法を使う場合は、一つの長い文章にすべてを詰め込むより、時間軸に沿ってシーンを整理するほうが分かりやすくなります。
🔊 音声付き動画にも対応
新しいWanシリーズでは、映像だけでなく音声を含む動画生成にも対応しています。音声、セリフ、環境音などを組み合わせた動画制作が可能になっています。
これはAI動画制作ではかなり実用的なポイントです。これまでなら映像を生成した後、別のツールでナレーションや効果音を追加する必要がありましたが、映像と音声をまとめて扱えることで制作工程を短縮できます。
ただし、AIが生成した音声は必ず確認してください。企業広告や商品説明など、発音や内容の正確さが重要な動画では、人間によるチェックが必要です。
🧠 プロンプトを書くときのポイント
通義万相を使ううえで、最も重要なのがプロンプトです。「猫が歩く」というだけでも動画は作れますが、結果を細かくコントロールしたいなら、もう少し具体的に書いたほうがいいでしょう。
例えば「白い猫が東京の路地を歩く。夕方。道路は雨で濡れている。カメラは猫の横を低い位置から追いかける。背景には暖色の店舗照明。映画のような自然な映像」といった形です。
基本的には「被写体+場所+時間+動き+カメラ+光+雰囲気」という順番で整理すると、プロンプトを作りやすくなります。
💡 AI動画で失敗しにくい指示方法
最初から複雑な映像を作ろうとしないことも重要です。「人物が走る」「車が高速で走る」「カメラが360度回転する」といった複雑な動きを一度に指定すると、映像が不自然になることがあります。
最初は人物の動きを一つ、カメラの動きを一つに絞ってください。例えば「人物がゆっくり歩く+カメラが横から追いかける」といった構成です。
満足できる結果が出たら、そこから少しずつ動きを追加していくほうが、原因を把握しやすくなります。
📱 TikTok・Instagram・YouTube Shortsで使う
通義万相で作った短い動画は、TikTok、Instagram Reels、YouTube ShortsなどのSNSコンテンツにも利用できます。
特に短い広告動画や、映像を中心としたSNS投稿との相性が良いでしょう。例えば、商品画像から短いプロモーション動画を作り、字幕やBGMを追加してSNSへ投稿する方法です。
ただし、AI動画を作るだけで再生数が伸びるわけではありません。SNSでは動画の冒頭、テーマ、投稿内容、視聴者との相性が重要です。AIは制作時間を短縮するために使い、企画そのものは人間が考えたほうが結果につながりやすいでしょう。
🛍️ EC・商品広告での活用
ECサイトの商品紹介にも通義万相を活用できます。
例えば商品の写真を用意し、背景を高級感のある空間へ変更したり、その商品を使っているシーンをAIで作ったりできます。さらに画像から動画へ変換すれば、SNS広告用の短い映像素材として利用できます。
一つの商品について複数の広告パターンを作りたい場合にも便利です。「高級感」「シンプル」「若者向け」「アウトドア」など、異なる方向性のビジュアルを短時間で試せます。
🛠️ 通義万相の基本的な使い方
STEP 1:作りたいコンテンツを決める
画像を作るのか、文章から動画を作るのか、画像を動画に変換するのかを最初に決めます。
STEP 2:素材を準備する
画像から動画を作る場合は、人物や商品などの元画像を準備します。
STEP 3:プロンプトを入力する
被写体、場所、動き、カメラ、照明などを具体的に指定します。
STEP 4:生成する
AIに画像または動画を生成させます。
STEP 5:結果を確認する
人物の顔、手、商品形状、背景、動きなどに不自然な部分がないかチェックします。
STEP 6:プロンプトを修正する
気に入らない部分だけ指示を変更して、再生成します。
STEP 7:必要に応じて編集する
完成した素材をCapCut、Premiere Pro、DaVinci Resolveなどで編集し、字幕やBGMを追加します。
💻 インストールは必要?
一般的な画像・動画生成を利用するだけなら、専用ソフトをパソコンへインストールして使う必要はありません。オンラインサービスとして利用できる環境が用意されています。
一方、開発者がAPIを利用する場合はAlibaba Cloudのアカウントを作成し、API Keyや対応するEndpointなどを設定する必要があります。
API利用ではリージョンの設定にも注意してください。利用するモデルとEndpoint、API Keyの地域が一致していないと、正常にAPIを呼び出せない場合があります。
💰 通義万相は無料で使える?
通義万相には無料で試せる環境がありますが、すべての機能を無制限に無料で使えるわけではありません。
特にAlibaba Cloud Model StudioからAPIを利用する場合は、使用するモデルやリージョン、生成した画像・動画の量などによって料金が発生します。
そのため、料金を確認するときは「無料か有料か」だけでなく、どのモデルを何回使うのかまで確認することが重要です。
💳 料金の考え方
通義万相のAPIは、一般的な月額制サービスとは少し違います。モデルによって、画像1枚あたり、動画1秒あたりなど、生成量に応じて料金が設定されています。
例えば画像を数枚試すだけなら大きな費用にはなりにくい一方、動画を何百本も生成する場合はコストが積み上がります。
仕事で利用する場合は、「1本の動画を完成させるまでに何回生成するか」まで考えて予算を決めると、実際のコストを把握しやすくなります。
料金や無料枠はモデルのアップデートによって変更される可能性があるため、利用開始時にはAlibaba Cloudの公式料金ページを確認することをおすすめします。
🌐 日本からAPIを使う場合の注意点
日本からAlibaba CloudのAPIを利用する場合、リージョンの選択は特に重要です。
例えば、あるリージョンで利用可能なWanモデルを別のリージョンのEndpointから呼び出そうとしても、正常に動作しない場合があります。
APIを使い始める前に、「利用するモデル」「利用リージョン」「Endpoint」「API Key」をセットで確認しておくと、接続エラーの原因をかなり減らせます。
⚠️ よくある問題:生成画像がイメージと違う
AI画像生成では、入力した文章と完成画像が完全に一致しないことがあります。特に人物のポーズ、複雑な背景、細かい文字などは難しい部分です。
対策としては、プロンプトを長くするだけではなく、重要な情報を明確にすることです。「赤い車」だけでなく、「赤いスポーツカー、車体を正面から撮影、夜の道路、雨上がり、道路にライトが反射」といった形で具体化します。
⚠️ よくある問題:動画の人物が途中で変わる
AI動画では、人物の顔や服装が途中で変化したり、手や指が不自然になったりすることがあります。
特に人物が激しく動く動画や、複数人が同時に動く動画では問題が起こりやすくなります。最初はシンプルな動きから試し、必要に応じて生成回数を増やすほうが現実的です。
⚠️ よくある問題:文字が正しく表示されない
AI画像・動画生成では、看板、商品パッケージ、ロゴなどの文字が崩れることがあります。
商品広告などで正確な文字が必要な場合は、AIに文字まで生成させるより、動画編集ソフトで後からテキストを追加するほうが安全です。
⚖️ 通義万相のメリット
画像と動画をまとめて扱える:画像生成だけでなく、画像編集や動画生成まで幅広く利用できます。
画像から動画を作れる:気に入った画像をベースに、人物やカメラを動かした映像へ発展させられます。
動画生成機能が充実している:新しいWanシリーズでは、1080P、音声付き動画、複数カットなど、短編動画制作を意識した機能が強化されています。
API利用ができる:企業や開発者は、自社サービスの中にWanモデルを組み込むことができます。
制作コストを抑えやすい:広告やSNS用の素材を大量に試作したい場合、撮影を毎回行うより効率的なケースがあります。
❗ 通義万相のデメリット
一回で完璧な動画になるとは限らない:AI動画はまだ不安定な部分があり、何度か生成し直すことがあります。
日本語の情報が少ない:中国語や英語と比較すると、日本語で詳しく解説されている情報はまだ限られています。
API料金が分かりにくい:モデルやリージョンによって料金体系が異なるため、初心者には少し複雑です。
長編動画制作には向かない:短い映像素材の生成には向いていますが、長時間の映像作品を一度に完成させるツールではありません。
👥 どんな人におすすめ?
- AIで画像や動画を作ってみたい人
- YouTube Shorts用の素材を作りたい人
- TikTokやInstagramで動画を発信している人
- ECサイトの商品画像や広告素材を作る人
- SNSマーケティングを担当している人
- AI動画制作を仕事に取り入れたいクリエイター
- AI画像・動画生成サービスを開発したいエンジニア
- 企業の広告やプロモーション動画を制作する人
特に向いているのは、AIに動画を最初から最後まで作らせたい人より、「AIで素材を大量に作り、人間が最後に選んで仕上げたい人」です。
🚫 向いていないケース
映画のような長編作品を完全自動で制作したい場合、通義万相だけでは十分ではありません。現在のAI動画生成は、短いクリップや広告素材を作る用途のほうが得意です。
細かいカット編集、音声編集、字幕、カラー調整などを行う場合は、動画編集ソフトと組み合わせたほうが効率的です。
🇯🇵 日本のユーザーにおすすめの使い方
日本で使うなら、まずはSNS用の短い動画から試すのがおすすめです。
例えば「商品画像を用意する → 通義万相で背景やビジュアルを作る → 画像から動画を生成する → CapCutなどで字幕とBGMを追加する」という流れです。
この方法なら、通義万相だけですべてを完結させる必要がありません。AIには画像・動画素材の制作を任せ、最終的な編集や情報の正確さは人間が確認することで、実際に使えるコンテンツへ仕上げやすくなります。
🔧 実際の制作フロー
1.企画を決める:誰に何を伝える動画なのかを決めます。
2.画像を作る:必要な人物、商品、背景などを生成します。
3.画像を動画化する:人物やカメラの動きを指定して動画を生成します。
4.音声を追加する:必要に応じてナレーション、BGM、効果音を加えます。
5.編集する:CapCutやPremiere Proなどで不要な部分をカットし、字幕を追加します。
6.SNSへ投稿する:YouTube Shorts、TikTok、Instagram Reelsなど目的に合ったプラットフォームへ投稿します。
🔍 商用利用するときの注意
AIで生成した画像や動画を広告、ECサイト、SNSなどで利用する場合は、使用するサービスの最新の利用規約と商用利用条件を確認してください。
また、実在人物の写真、他社の商品画像、企業ロゴ、有名キャラクターなどを入力する場合は、著作権や肖像権、商標権などにも注意が必要です。
「AIが作った画像だから自由に使える」と考えるのは危険です。特に企業広告や販売目的で利用する場合は、元画像の権利関係まで確認しておくべきです。
📌 まとめ
通義万相は、Alibabaが開発している画像・動画生成AIです。画像生成だけでなく、画像編集、テキストから動画、画像から動画、人物や物体を使った動画生成、複数カット、音声付き動画など、AIによるコンテンツ制作を幅広くカバーしています。
特にWanシリーズの動画生成機能は、短いSNS動画や広告素材を作りたい人にとって使いやすい選択肢です。画像を一枚作って終わりではなく、その画像を動かして動画へ展開できる点も大きな魅力です。
一方で、AI動画にはまだ不自然な動きや人物の変化、文字の崩れなどがあります。生成結果をそのまま公開するのではなく、最後に人間が確認して編集することが重要です。
日本のユーザーなら、まず無料で試せる範囲から画像や短い動画を作ってみるのがいいでしょう。自分の用途との相性を確認してから、本格的な利用やAPI導入を検討するほうが無駄なコストを抑えられます。
📋 通義万相の基本情報
- 名称:通義万相(Wanxiang / Wan)
- 開発:Alibaba
- カテゴリー:AI画像生成・AI動画生成・画像編集
- 主な機能:文章から画像、画像編集、文章から動画、画像から動画、参考画像を使った動画生成
- 動画機能:短編動画、複数カット、音声付き動画など
- 利用方法:オンラインサービス、Alibaba Cloud Model Studio、API
- 料金:無料で試せる環境あり。APIはモデルや生成量などに応じた従量課金
- 主な用途:SNS、広告、EC、商品紹介、映像制作、コンセプト制作
- 対象ユーザー:クリエイター、マーケター、企業、動画制作者、開発者

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