Clipdropとは?AI画像編集をブラウザで手軽に使えるツールを徹底レビュー
AI画像編集サービスはかなり増えましたが、実際に仕事で使ってみると「高機能なのは分かるけど、ちょっとした加工のために毎回複雑な操作をするのは面倒」ということがあります。
Clipdropは、そんな面倒な画像加工をAIに任せやすいサービスです。背景を消したり、写真の中にある不要な物を消したり、画像を拡大したり、背景を別のものに置き換えたりできます。
Photoshopのように細かい編集を一から覚える必要がなく、「この作業だけAIで処理したい」というときに使いやすいのがポイントです。
特にECの商品画像、SNS投稿、広告素材、Webサイト用画像、プロフィール写真など、日常的に画像を扱う仕事では使い道があります。

🧩 Clipdropとは?
Clipdropは、AIを利用した画像生成・画像編集サービスです。
開発したのはフランス・パリ発のスタートアップInit MLです。Init MLは2020年に設立され、画像の切り抜きや背景削除など、AIを利用した画像処理技術を中心にClipdropを展開しました。
2023年にはStability AIがInit MLを買収。その後、2024年にはJasperがClipdropをStability AIから取得しています。
サービスのスタート当初は「スマートフォンで撮った写真を簡単に切り抜いて別の場所へ持っていく」というコンセプトが強かったClipdropですが、現在は背景削除、不要物除去、画像拡大、画像生成、背景変更、画像拡張など、かなり幅広い機能を持っています。
ただし、Photoshopのような総合画像編集ソフトとは役割が違います。Clipdropが得意なのは、画像編集の中でも「AIに任せたほうが早い作業」を切り出して処理することです。
🛠️ Clipdropの主な機能
1.AI画像生成
テキストから画像を生成できます。広告用ビジュアル、SNS素材、商品イメージ、コンセプト画像など、文章から画像を作りたい場面で利用できます。
2.背景削除
人物や商品などの被写体を自動的に切り抜き、背景を透明にできます。
ECサイトの商品写真や広告素材を作るときには、かなり使いやすい機能です。
3.Cleanup
写真に写り込んだ不要な人物や物などをAIで消去できます。
観光写真の背景にいる人を消したい、商品写真に写った余計な物を取り除きたい、といった用途で便利です。
4.Image Upscaler
小さい画像を拡大しながら、ディテールを補正します。
Webから保存した画像や古い写真など、「もう少し大きく、きれいにしたい」という場合に使えます。
5.Uncrop
元画像の外側をAIで生成し、写真の範囲を広げる機能です。
横長の広告素材を作ったり、縦長のSNS画像に変更したりするときに役立ちます。
6.背景変更
被写体を残したまま、背景だけをAIで変更できます。
商品写真をスタジオ撮影風にしたり、人物写真の背景を別の場所に変えたりする使い方ができます。
7.Relight
撮影済みの写真に対して、光の方向や雰囲気をAIで調整する機能です。
撮影時にライティングを十分に調整できなかった写真を後から補正したい場合に便利です。
8.Text Remover
画像内にある不要な文字などをAIで取り除く機能です。
✨ Clipdropの特徴と強み
Clipdropの良さは、AI画像編集でよく使う機能が一つのサービスにまとまっていることです。
例えば、商品画像を加工するとします。
- 背景を削除する
- 不要な部分をCleanupで消す
- AIで新しい背景を作る
- 最後に画像をアップスケールする
こうした作業をそれぞれ別のサービスに移動せず、Clipdropの中で処理できるのは地味ですが便利です。
Photoshopなら細かな選択やマスク処理が必要になる作業でも、ClipdropならAIに任せられる場合があります。
もちろんAIなので毎回完璧になるわけではありません。それでも「細かい画像加工に時間をかけたくない」という人には、かなり実用的な選択肢です。
🎨 Clipdropの実際の使用シーン
EC・ネットショップ
商品写真の背景削除、背景変更、画像補正などに向いています。
特に商品数が多いECサイトでは、画像加工を一枚ずつ手作業するだけでもかなり時間がかかります。Clipdropを使えば、その一部をAIに任せられます。
📱 SNS運用
InstagramやTikTokなどの投稿画像を作る際、写真の不要部分を消したり、画像の縦横比を変更したりする作業に使えます。
📢 広告・マーケティング
商品広告やキャンペーン用のビジュアルを複数パターン作りたい場合にも便利です。
🎨 デザイン制作
デザインそのものを完成させるというより、素材作りの段階で使うと便利です。
📷 写真編集
不要な人物や物を消したり、背景を変更したり、画像を拡大したりできます。
🏢 企業利用
企業向けにはAPIも用意されており、自社サービスや業務システムにAI画像処理機能を組み込みたい場合にも利用できます。
🚀 Clipdropの使い方
STEP 1:Clipdropにアクセス
まずWebブラウザからClipdropを開きます。
STEP 2:アカウントを作成
必要に応じてアカウントを作成してログインします。無料で試せる機能も用意されています。
STEP 3:目的の機能を選ぶ
Background Removal、Cleanup、Uncrop、Image Upscaler、Relightなどから使いたい機能を選びます。
STEP 4:画像をアップロード
編集したい画像をアップロードします。
STEP 5:必要な部分を指定
Cleanupなら消したい部分をブラシなどで指定します。背景生成などでは、作りたい背景の内容をテキストで入力します。
STEP 6:AI処理
AIが画像を処理します。
STEP 7:結果を確認
仕上がりを確認し、不自然な部分があれば範囲や指示を変更してもう一度処理します。
STEP 8:画像を保存
問題がなければ画像を保存し、SNS、ECサイト、広告、資料などに利用します。
💡 Clipdropを上手に使うコツ
ClipdropはChatGPTのような会話型AIとは違うので、長々と説明するより「何をどう変えたいのか」を具体的に書くほうが使いやすいです。
背景を作る場合は具体的に指定する
「おしゃれな背景」だけではなく、 「白い大理石のテーブル、自然光、明るいスタジオ、シンプルで高級感のあるEC写真」 のように、素材・光・色・雰囲気まで指定するとイメージを合わせやすくなります。
商品画像では商品そのものを変えすぎない
商品写真の場合、AIに背景を作らせたいだけなのに商品まで変わってしまうことがあります。
そのため、「商品は変更せず、背景だけ変更する」という意図を明確にしておくと扱いやすくなります。
Cleanupは一回で完璧を狙わない
不要物を消したあとに背景がおかしくなったら、選択範囲を少し変えて再処理します。
元画像は必ず残しておく
AI編集では意図しない部分まで変わることがあります。仕事で使うなら、編集前のオリジナル画像を別に保存しておくほうが安心です。
💻 Clipdropの対応環境・インストール方法
ClipdropはWebブラウザから利用できるほか、これまでiOS、Android、macOS、Windowsなどの環境にも展開されてきました。
また、Photoshopとの連携や、開発者向けのAPIも用意されています。
- Web:ブラウザから利用可能
- Windows:デスクトップ環境で利用可能
- Mac:macOS環境に対応
- iOS:モバイル環境で利用可能
- Android:モバイル環境で利用可能
- Photoshop:画像編集ワークフローとの連携
- API:企業や開発者がサービスに組み込む用途
ただ、初めて使うならWeb版から始めるのが一番簡単です。
なお、アプリストアには「Clipdrop」の名前を使った非公式アプリも存在するため、スマートフォンにインストールするときは開発元を確認することをおすすめします。
💰 Clipdropの料金
Clipdropには無料プランがあります。
無料版でも主要なAI画像編集機能を試せますが、機能ごとに利用回数や出力サイズなどの制限があります。
例えばBackground Removal、Image Upscaler、Cleanup、Relightなどには無料利用時の回数制限があります。Text Removerなども無料枠が設定されています。
有料のProプランでは、より大きな利用上限、高解像度処理、優先処理などが利用できます。
| プラン | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|
| Free | 無料 | 主要機能を試せる。利用回数や解像度などに制限あり |
| Pro | 有料 | 利用上限の拡大、高解像度処理、優先処理など |
| API | 従量課金 | 自社サービスやシステムへの組み込み向け |
Proの料金はキャンペーンや契約条件によって表示が変わる場合があるため、契約前には最新の料金画面を確認したほうがいいでしょう。
個人的には、まず無料版を使って「自分が普段やっている画像加工をどこまで減らせるか」を確認してからProを考えるのがおすすめです。
👥 Clipdropが向いている人
- デザイナー:画像素材の加工時間を減らしたい人
- EC担当者:商品画像を大量に加工する人
- マーケター:広告やSNS用の画像を作る人
- 写真を扱う人:不要物除去や画像補正をしたい人
- Web担当者:サイト用画像を頻繁に加工する人
- 企業:画像AIを業務システムに組み込みたい会社
- 一般ユーザー:Photoshopの操作を覚えず画像を加工したい人
逆に、文章作成やプログラミングが中心の人なら、Clipdropを使う機会はそれほど多くないでしょう。
🌎 Clipdropの世界的な利用状況
Clipdropは日本だけで利用されているサービスではなく、海外ユーザーを中心に世界規模で利用されてきたAI画像サービスです。
2023年にStability AIがInit MLを買収した際、Stability AIはClipdropについて1,500万人以上のユーザーを獲得していたと発表しました。
ただし、この数字は2023年時点の発表です。現在のユーザー数を示す数字ではないため、現在の利用者数としてそのまま掲載するのは正確ではありません。
Webアクセスについては、第三者のアクセス解析サービスによる推計値が存在します。こうした数字では米国、インド、ブラジル、インドネシアなど複数の国・地域からアクセスが確認されています。
ただし、Webサイトの訪問数と実際の登録ユーザー数、アプリ利用者数は別の数字です。第三者サービスの推計値も含めて考える必要があるため、「月間アクセス数=ユーザー数」と考えるのは避けたほうがいいでしょう。
⚖️ Clipdropのメリット・デメリット
👍 メリット
- 画像編集の面倒な作業をAIに任せられる
- 背景削除、不要物除去、画像拡大など実務向け機能が多い
- Photoshopほど複雑な操作を覚えなくても使いやすい
- EC、広告、SNSなどビジネス用途と相性がいい
- APIを利用した企業向けの使い方もできる
👎 デメリット
- 無料版には利用回数や出力サイズの制限がある
- AI処理なので画像によっては不自然な結果になる
- Photoshopのような細かい手動編集には向いていない
- AI画像生成だけが目的なら、他の専門サービスも比較したほうがいい
🔄 Clipdropと他のAI画像ツールを比較
| ツール | 主な特徴 | 向いている用途 | Clipdropとの違い |
|---|---|---|---|
| Clipdrop | AI画像編集・生成 | 商品画像、SNS、広告、写真加工 | AIによる画像加工を手軽に使える |
| Photoshop | 総合画像編集 | プロのデザイン・写真編集 | 細かな編集や合成まで自由にできる |
| Canva | デザイン制作+AI機能 | SNS、バナー、資料、プレゼン | 画像編集だけでなくデザイン制作全体に強い |
| Midjourney | AI画像生成 | 作品制作、広告ビジュアル、イラスト | ゼロから画像を作る用途が中心 |
| Adobe Firefly | 生成AI・画像編集 | Adobe製品を使ったクリエイティブ制作 | Adobe製品との連携が強い |
| remove.bg | 背景削除 | 人物・商品の切り抜き | 背景削除に特化している |
Clipdropは、Photoshopのようにすべての画像編集をカバーするツールではありません。また、MidjourneyのようなAI画像生成専門サービスとも方向性が違います。
その代わり、「背景を消す」「不要な物を消す」「写真を広げる」「画像を大きくする」といった具体的な作業を短時間で処理したい場合には使いやすい立ち位置です。
🤖 ClipdropとChatGPTの違い
最近はChatGPTなどでも画像生成や画像編集ができるため、「Clipdropを使う必要があるのか」と感じる人もいると思います。
実際、用途によってはChatGPTだけでも十分です。
ただ、Clipdropは画像編集の機能が目的別に整理されています。「背景を消したい」「不要な人を消したい」「画像を広げたい」といった場合、専用機能を選んですぐ処理できるのは分かりやすいところです。
一方、画像について会話しながらアイデアを考えたり、文章や企画と一緒に画像制作を進めたりするなら、ChatGPTのような汎用AIのほうが便利な場面もあります。
どちらか一つに決めるより、用途に応じて使い分けるほうが現実的です。
📌 Clipdropを実際の仕事で使うなら
Clipdropを仕事で使うなら、個人的には「画像をゼロから作るAI」としてより、既存画像の加工時間を減らすツールとして使うのがおすすめです。
例えばECなら、商品写真を撮影したあとに背景を削除し、Cleanupで余計なものを消します。その後、用途に合わせて背景を変更し、必要ならUpscalerで画像を大きくします。
SNSなら、元画像をUncropで広げてから背景を調整する、といった使い方ができます。
こうすると、Clipdropの複数機能を単体で使うのではなく、一つの作業フローとして利用できます。
逆に、映画のようなビジュアルをゼロから作り込みたい、キャラクターの一貫性を保ちながら大量の画像を生成したい、といった目的なら、Clipdrop以外の画像生成AIも比較したほうがいいでしょう。
🎯 Clipdropは使う価値がある?
結論として、普段から画像を扱う人なら、一度無料版を試してみる価値は十分あります。
特にEC担当者、デザイナー、マーケター、SNS運用担当者、Web担当者などは、背景削除や不要物除去のような細かい作業が意外と多いので、そこでClipdropが役立ちます。
「商品写真の背景を毎回Photoshopで消している」「SNS画像の不要な部分を手作業で修正している」という人なら、導入効果を感じやすいでしょう。
一方、月に数回しか画像を加工しないなら、無料版だけで十分な可能性があります。最初からPro契約する必要はありません。
また、Photoshopの完全な代替品でもありません。レイヤーを細かく編集したり、複雑な画像合成をしたりする場合は、専門的な画像編集ソフトのほうが自由度があります。
Clipdropは、「Photoshopを置き換えるAI」ではなく、「Photoshopを開くほどでもない画像加工をAIで片付けるツール」と考えると、かなり分かりやすいサービスです。
❓ Clipdropに関するよくある質問
Clipdropは無料で使えますか?
はい。無料プランがあります。ただし、機能ごとに利用回数や解像度などの制限があります。
Clipdropで背景を消せますか?
できます。Background Removalを使えば、人物や商品などの背景を自動的に削除できます。
Clipdropで写真の人物を消せますか?
Cleanupを使って不要な人物や物を消すことができます。背景が複雑な写真では、何度か範囲を調整したほうが自然に仕上がります。
Clipdropはスマートフォンでも使えますか?
Clipdropはモバイル環境にも対応しています。ただし、アプリストアには名前が似た非公式アプリもあるため、インストール前に開発元を確認することをおすすめします。
Clipdropは商用利用できますか?
Clipdropでは生成画像について商用利用を制限していない旨が案内されています。ただし、元画像の著作権、人物の肖像権、ブランドやロゴなど第三者の権利については別途確認が必要です。
ClipdropはPhotoshopの代わりになりますか?
完全な代替にはなりません。AIによる背景削除や不要物除去などはClipdropが手軽ですが、細かなレイヤー編集や高度な合成などはPhotoshopのほうが向いています。
📝 Clipdropの総評
Clipdropを一通り見て感じるのは、「派手なAIサービスというより、仕事の中にある面倒な画像加工を減らすためのツール」ということです。
AI画像生成だけを見ると、現在は非常に多くの選択肢があります。だからこそClipdropは、背景削除、不要物除去、画像拡大、背景変更、画像拡張といった実際の作業に目を向けたほうが良さが分かります。
特にECの商品画像や広告素材を大量に扱う人なら、毎回手作業でやっていた加工をかなり減らせる可能性があります。
反対に、画像編集をほとんどしない人や、本格的なデザイン制作をしたい人なら、無理にPro契約する必要はありません。
画像加工の時間を減らしたい人には向いている。
AI画像生成そのものを極めたい人は他のサービスも比較したほうがいい。
プロレベルの細かな画像編集にはPhotoshopなどを併用する。
この使い分けが、Clipdropを一番うまく活用する方法だと思います。

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