🏢 開発会社と背景
MeetilyはZackriya Solutionsが開発するオープンソースのAI会議ツールで、コードはMITライセンスでGitHubに公開されている。誰でも中身を読めるし、改変も自分でビルドもできる。Otter.aiやFirefliesのようなクラウド型とは方向性が真逆で、サーバーを持たず、録音も文字起こしも要約もすべて利用者のPC内で完結する。2025年には「ローカル版Otter」として注目を集め、録音を社外に出せない弁護士事務所や医療機関などから支持された。

📅 リリース時期
2024年末にリリース。本格的に話題になったのは2025年で、AIツールがデータをどこへ送っているのかへの関心が高まったタイミングと重なる。大々的な広告は打たず、開発者コミュニティとプライバシーに関心の高い層の口コミで広がった。
🧩 主要機能
- ローカル録音とリアルタイム文字起こし:システム音声とマイクを同時に取得し、会議中に字幕を表示する。
- AI要約:会議終了後にワンクリックで要点・結論・TODOを抽出。
- ノートの書き出し:文字起こしと要約を一般的な形式で出力できる。
- ボット不要:会議に「録音ボット」を参加させる必要がなく、ZoomやMeet、Teamsの音声をPC側で直接録る。
- ローカル保存:録音・文字起こし・要約はすべて端末内のSQLiteに保存され、クラウド同期もサーバーもない。
✨ 主な強み
- 文字起こしは100%ローカルで、音声は原則端末の外に出ない。
- 無料版はアカウント不要で、インストールすればすぐ使える。
- MITのオープンソースで、監査も改変も自前ホストも可能。
- オフラインで動作し、ローカルモデルを使えばネットなしでも文字起こしと要約ができる。
- 要約はローカルモデル(Ollama)か自前のAPIキーの2択。
🤖 AI技術と仕組み
文字起こしにはWhisperまたはNVIDIA Parakeetを使う。どちらもオフラインで動く音声認識モデルだ。要約は2つの経路から選べる。Ollamaでローカルモデルを動かして完全にオフラインで済ませるか、自分のAPIキー(Claude、Groq、OpenRouter、OpenAI互換エンドポイント)を登録するか。後者の場合も送信されるのは文字起こしテキストだけで、音声ファイルは端末から出ない。技術的にはNode.js、Python、FFmpegに依存するが、公式のmacOS・Windowsインストーラーがこれらをまとめて同梱してくれる。
🎯 活用シーン
- 機密性の高い会議:録音を端末外に出せない法務・医療・金融チームが主な対象。
- 朝会や定例会:TeamsやSlack Huddlesの会議をローカルで文字起こしして議事録化。
- 取材やリサーチ:記者や研究者がインタビュー音声を自分の端末に残す。
- 開発者同士のやりとり:Discordの音声通話やコードレビューを録って要約。
- ネットが制限された環境:安定した回線がない、外のネットワークに繋げない環境でもローカルモデルで動く。
🛠️ 使い方
まずmacOSまたはWindowsのインストーラーをダウンロードして起動する。無料版はログイン不要だ。次に録音したい音源を選び、システム音声とマイクの両方にチェックを入れて、会議の音と自分の声の両方を拾えるようにする。会議が始まったら録音を開始し、リアルタイムの字幕を確認する。終了後に「要約」を押し、Ollamaか自分のAPIキーを選べば、数秒から数十秒で要点とTODOが得られる。最後に文字起こしと要約を書き出して保管する。どの段階でもデータを手放す必要はない。
💡 活用のコツ
- 完全オフラインにしたいなら、先にOllamaを導入してモデルを取得しておく。要約がネットに触れなくなる。
- 無料版は基本的に話者ラベルが付かないので、「誰が言ったか」が必要ならProへ。
- 音が出ない場合はシステム音声のキャプチャ権限を確認。macOSではマイクの許可を別途求める。
- 初回は短い会議で試し、WhisperやParakeetのモデルが正常にダウンロードされ、字幕の遅延が許容範囲かを確認する。
- Proならカスタム要約テンプレートが使えるので、チームの書式に出力を固定できる。
📈 導入事例
MeetilyはOtterのように企業顧客の一覧を華々しく公開しているわけではない。評判はどちらかというと開発者コミュニティやプライバシーの議論のなかで広がった。よくあるのはこんなケースだ。独立系のコンサルや法律事務所で、顧客との打ち合わせはZoomで行うが、社内規定で録音を外部クラウドに置けない。そこでオフィスのPCにMeetilyを入れ、会議を録ってローカルで議事録を作り、社内システムへ手動で保管する。こうした「ローカルで動き、アカウントもいらない」需要が、2025年を通じてMeetilyを一定の地位に押し上げた。
📱 対応プラットフォーム
公式のデスクトップクライアントはmacOSとWindowsで、一般的なオフィス環境のほとんどをカバーする。Linuxはソースコードから自分でビルドする必要があり、ワンクリックのインストーラーはない。モバイルアプリは今のところなく、公式は計画中としている。つまり現段階ではPCの前に座って使うことになり、外出先でスマホから録音するのはできない。
🌐 対応言語
対応言語は使うモデルに大きく左右される。Whisperは約99言語をカバーし、英語、中国語、日本語、スペイン語など主要言語はひと通り揃う。NVIDIA Parakeetも複数言語の認識に強い。要約の出力言語は要約モデル次第で、要点をどの言語で出すかは指定できる。アプリのUI自体は現状英語中心だ。
💰 料金プラン
- Community(無料):MITのオープンソースで、アカウントもサブスクリプションも不要。録音・文字起こし・要約のコア機能を使えるが、話者ラベルは通常付かない。
- Pro:月10ドルまたは年120ドル。14日間の無料トライアルがあり、クレジットカード登録は不要。文字起こし精度の向上、会議の自動検出、話者分離の改善、PDF/DOCX書き出し、カスタム要約テンプレート、優先サポートが含まれる。
- Enterprise:要相談。セルフホスティング、SSO/SAML、管理コンソール、RBAC、監査ログ、EUデータ居住性、コンプライアンス対応を提供。
別の情報源では、個人向けの買い切り型ライセンス「Meetily Lite」が年1110ドルで提供されているとも報じられている。
👥 こんな人におすすめ
- データのプライバシーを重視し、録音をクラウドに上げたくない人。
- GDPRやHIPAAに準じた運用が求められる法務・医療・金融のチーム。
- コードを読んで自分で動かしたい、オープンソースや自前ホストが好きな人。
- 安く手軽に議事録を作りたいフリーランスや少人数チーム。
- 朝会やコードレビューをさっと文字起こししたい開発者。
👍 メリット
- プライバシー最優先で、音声は原則端末の外に出ない。
- MITのオープンソースで、監査・改変・自前ホストが可能。
- 無料版は本当に無料で、アカウントもサブスクリプションも要らない。
- Ollama対応により、完全オフラインの要約が実現できる。
- 録音ボット不要で、主要な会議プラットフォームに対応。
⚠️ デメリット・制限
- デスクトップ専用でモバイルアプリがなく、PCから離れると不便。
- 無料版には話者分離がなく、議事録で誰の発言か区別できない。
- 話者分離やカレンダー連携など一部機能は「近日提供」のまま。
- Linuxはソースからのビルドが必要で、非エンジニアには敷居が高い。
- Otterに比べるとUIやエコシステムの成熟度はまだ発展途上。
❓ よくある質問
Meetilyは本当に無料ですか?
はい。Community版はMITのオープンソースで、アカウントもサブスクリプションも不要。録音・文字起こし・要約は使えるが、話者ラベルは通常付かない。
録音はクラウドにアップロードされますか?
デフォルトではされない。文字起こしはローカルで行われ、録音・文字起こし・要約は端末内のSQLiteに保存される。サードパーティのAPIキーを自分で登録した場合のみ、文字起こしテキストが送信され、音声は端末から出ない。
完全オフラインで要約するには?
Ollamaを導入してローカルモデルを動かせば、要約は自分のPC上で行われ、ネットワークは一切使わない。
対応する会議アプリは?
Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、Discord、Slack Huddles、Webexなど。ボットとして参加せずシステム音声を直接録るため、多くの会議で使える。
モバイルアプリはありますか?
今のところない。公式はモバイル版を計画中としている。
話者分離は有料ですか?
無料版には通常なく、Pro版で改善された話者分離が提供される。
🔄 競合ツールとの比較
Otter.aiと比べると、Otterはモバイルアプリがあり話者識別も成熟、エコシステムも洗練されているが、データはクラウドに置かれ、無料版でもアカウントが必要だ。Meetilyはローカルとオープンソースの点で優位に立つ。Firefliesと比べると、Firefliesはボットとして会議に入り営業やCRMに特化するのに対し、Meetilyはボット不要でより汎用的だ。手軽さとモバイルを優先するならOtter、プライバシーとオープンソース、ローカル管理を優先するならMeetilyを選ぶのが分かりやすい。

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