🏢 開発会社と背景
Trint(トリン)は、英国ロンドンを拠点とする AI 文字起こしサービスです。2014 年に記者出身の Jeff Kofman が設立しました。テレビニュースの現場を長く経験し、取材音源を手で文字に起こす苦労を知っていただけに、製品は最初から記者や編集者のための設計です。現在の顧客には AP(AP通信)、CNN といった報道機関に加え、Airbnb や Nike のような企業も名を連ねており、報道から法務、社内会議まで用途が広がっています。

📅 リリース時期
2014 年にロンドンで創業し、約 2 年の開発を経て 2016 年に一般向けの文字起こしプラットフォームを正式公開しました。運営はすでに 10 年近くに及び、この分野では比較的早い時期から報道機関向けに実績を積んできた部類です。
🧩 主な機能
「録音を公開できる文章にする」という一本の線で機能がまとまっています。
- 自動文字起こし:50 以上の言語に対応し、音声・動画をタイムスタンプ付きの文字に変換します。
- 話者識別:誰が話したかを自動で分け、ラベルを付けます。
- 翻訳:54 言語のテキスト翻訳。
- Story Builder:複数の音声・動画をひとつの記事や台本にまとめる機能。
- 共同編集:役割、権限、コメント、共有ドライブでチーム編集が可能。
- AI 要約:内容の要約を自動生成。
- 字幕エディター:SRT 字幕をアプリ内で作成。
- ライブ文字起こし:リアルタイム書き起こし(上位プランが中心)。
- モバイルアプリ:iOS・Android でアップロードと文字起こしが可能。
- 連携:Zapier、Zoom、Dropbox、Box、Adobe Premiere Pro。Enterprise では API も提供。
- 書き出し:TXT、DOCX、SRT、JSON。
✨ 特徴と魅力
よく評価されるのは、精度の高さ、共同編集のしやすさ、報道ワークフローへの親和性の 3 点です。取材から戻って音源をアップロードすれば、話者ラベルとタイムコード付きの文字起こしが数分で得られ、そのまま画面上で校正し、SRT を動画用に、DOCX を編集用に書き出せます。インターフェースはシンプルで、技術に詳しくない記者でもすぐ使えます。
🤖 AI 技術と能力
中核は音声認識エンジンで、文字起こしにタイムスタンプを自動付与し、話者分離技術で発言者を区別します。その上に 54 言語の翻訳と AI 要約が載る構成です。ただ、AI 機能の幅は広くなく、中心は文字起こしと要約。Descript のような編集や吹き替え、声のクローンまで含む総合スイートではありません。
🎯 実際の利用シーン
- 報道・取材:記者が取材音源を素早く記事化し、締め切りに間に合わせる。
- ポッドキャスト・動画:字幕作成や、対談をテキスト化して記事にする。
- 多言語配信:英語の取材を他言語に翻訳して発信。
- 法務:証言や審理の音声を検索可能な文字データに。
- 企業の会議:社内会議の議事録やアーカイブ作成。
🛠️ 具体的な使い方
登録後、まず 7 日間の無料トライアル(ファイル 3 本まで)を試せます。通常の流れは、音声または動画をアップロードして文字起こしを待ち、エディターで一文ずつ校正して話者ラベルを直し、必要なら翻訳や AI 要約を実行し、TXT・DOCX・SRT・JSON で書き出す、という手順です。チームなら共有ドライブにファイルを置き、コメントや役割ベースの権限で共同編集します。
💡 使い方のコツ
- 精度の上限は録音品質で決まるので、外部マイクを使い、環境ノイズを抑えるのが基本。
- 複数人の会話は、特に同時に話した箇所を中心に、後から手動で話者ラベルを直す。
- Story Builder で複数の録音を 1 本にまとめれば、文書の切り替えが減る。
- キーワード検索で該当行へ直接ジャンプし、直すべき一文を素早く見つける。
- Starter は月 7 ファイルまでなので、使用量を意識しないとすぐ上限に届く。
📈 導入事例
AP は現場の取材音源を素早く公開可能な文章に変えるために Trint を使っています。CNN の記者は日々の取材音声の処理に利用。Airbnb と Nike は社内会議やマーケティング素材、ユーザーインタビューの整理に使っています。通信社、ケーブル局、グローバル企業という広がりは、報道の大量処理にもチームの共同作業にも耐えることを示しています。
📱 対応プラットフォーム
Web 版が中心で機能も最も充実しています。iOS・Android アプリもあり、現場からアップロードできます。ライブ文字起こしを使えば、取材の最中にリアルタイムで文字を起こせます。
🌐 対応言語
文字起こしは 50 以上の言語、翻訳は 54 言語に対応。多言語の報道チームなら、1 つの素材から複数言語版を作れます。
💰 料金プラン
サブスクリプション制で、やや高め。永年無料プランはありません。
- Starter:約 52 ドル/ユーザー/月(年払い)。月 7 ファイルのアップロード。
- Advanced:約 60 ドル/ユーザー/月(年払い)。「無制限」の文字起こし(ただし曖昧な fair-use 制限あり)、54 言語翻訳、AI 要約、モバイルアップロード、席ごとに月 1 時間のライブ文字起こしを含む。
- Enterprise:カスタム見積もり。ライブ文字起こし、API・CMS 連携、SSO、高度なセキュリティ。
欧州では従量課金(約 16.20 ユーロ/時間)もあります。チームは席単位の課金なので、人数が増えるとコストが跳ね上がります。
👥 こんな人に向く
記者、編集者、報道機関、ポッドキャストチーム、法務関係者、大量のインタビューを扱う企業です。週に 1 回ボイスメモを文字にするだけの個人には料金が重く、価値が出るのはチーム共同編集と報道のパイプラインに載せたときです。
👍 メリット
- 精度が高く、公式は 99% を主張。クリアな録音なら実測でも約 90% 程度。
- 役割・権限・コメント・共有ドライブなど共同編集が充実。
- 報道ワークフローに最適化され、Story Builder や字幕エディターが役立つ。
- インターフェースが親切で、記者でも習得が速い。
⚠️ デメリットと制限
- サブスクリプションが高く、特にチームの席単位課金は負担が大きい。
- 無料プランがなく、7 日間のトライアルも 3 ファイルまで。
- Starter は月 7 ファイルで、やや使うとすぐ足りなくなる。
- 「無制限」には曖昧な fair-use の上限があり、ヘビーユーザーは制限を受けうる。
- Web からライブ音声を直接録音できない。
- 実測精度は約 90% で、公式の 99% とは差がある。
- 複数人が同時に話す場面では話者識別が弱くなる。
- AI 機能は要約が中心で、ほかの付加価値が少ない。
❓ よくある質問 FAQ
無料プランはありますか?
永年無料プランはありません。7 日間の無料トライアルのみで、ファイル 3 本までです。
実際の精度はどのくらい?
公式は 99% としていますが、実際の使用では録音品質やアクセントにもよりますが約 90% 程度です。
ライブ配信の文字起こしはできますか?
Advanced と Enterprise にライブ文字起こしがありますが、Web からライブ音声を直接録音することはできません。
日本語には対応していますか?
はい。文字起こしは 50 以上の言語(日本語を含む)、翻訳は 54 言語に対応します。
Otter.ai と比べてどう?
Otter は安く、無料版があり、導入が早いのが強み。Trint は高めですが共同編集と報道ワークフローで優れており、チームを持つ報道機関向けです。
🔄 競合ツールとの比較
Otter.ai と比べると、Trint は共同編集と報道ワークフローに強く、価格と無料版の有無で劣ります。Rev と比べると、Rev は AI と人手の両方で、人手の文字起こしはより正確ですが高価です。Descript と比べると、Descript は音声・動画編集まで含む統合ツールで、Trint は文字起こしそのものに集中しています。選ぶなら、個人の手軽な利用は Otter、認定された正確さなら Rev、編集込みのポッドキャスト制作なら Descript、報道チームで検索可能な文字起こし基盤が欲しいなら Trint、という整理になります。

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